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草津温泉 一人旅のおすすめ宿 

日本を代表する草津温泉にはさまざまなホテル・旅館があるが、その中でも「草津温泉326山の湯ホテル」は一人でもお手軽に泊まれる格安の宿だった。なにしろ値段がお手頃なのだ。部屋のタイプとしてはビジネスホテルのようなのだが、内装は結構凝っていて、居心地もよい。

 

以下がホームページだ。書かれているようにここの部屋はビジネスホテルのような感じではある。しかし、気楽に泊まりたい人にとっては好都合でもあると思う。

yamanoyu326.wixsite.com

 

目次

場所

まず、場所だがここは草津温泉の中心地である湯畑から徒歩で数分のところに位置する。ロケーションとしては最高だ。

アクセスするにも、車であれば専用駐車場がすぐ近くにあるので便利である。その駐車場へ至る道も大回りをしてくれば、中心街の狭い道路を幅に気を付けながら通ることもなく到着できる。

 

部屋や館内

一番スタンダードな部屋に泊まったのだが、このようにベッドが置かれている。他には小さいデスク、ユニット洗面バススペースがある。中の作り付けはビジネスホテルのようである。ただ、このようなビジネスホテルのような宿泊場所は草津には無いようなので、泊まるところにこだわらないのであればお手軽で良いと思った。

エアコンがあり、壁面にテレビが付いていた。

このように浴衣、タオルセットも付いている。

館内には内風呂(湯畑源泉から引き込んだ100%かけ流しの天然温泉)がある。けっこうな熱湯になっているので、横に置いてある専用の板でかき回して湯もみをしてから入る。草津特有の熱い湯につかることができる。

朝食が付いているのだが、その当時は温められたパンと目玉焼きやサラダなどであった。軽食といったところだが、私にはそれで十分だった。

 

さて、散策をすると2分ほどで湯畑にでられるので、申し分がない。

夜の散策にも気軽に出られるのが良い。夜の湯畑はカラフルであった。

夜の食事も食べる所は多数あるので困らない。

湯畑にある熱乃湯では、毎日湯もみショーをやっている。観覧料金は大人700円だ。一日6回の公演があり、各30分前から販売所にてチケットを販売している。

また、近くには立ち寄り湯の「御座之湯」がある。ここは「湯畑源泉」と「万代源泉」のふたつを楽しむことができる。万代源泉はPH1.5というとりわけ酸性度の強い、強力な源泉だ。

雨に濡れた道も風情がある。このように静かな温泉旅館街に位置している。

 

ぶらっと草津温泉に行くにはお手軽だった。

 

ではまた。

井上靖のしろばんばの里 天城湯ヶ島温泉 白壁 その2.和とモダンの織りなす宿 超おすすめだ。

天城湯ヶ島は温泉地としての歴史が古く、江戸時代には金が取れたということでにぎわったそうだ。そんな湯ヶ島には狩野川の渓谷沿いに何軒かの温泉旅館がある。その中でも、井上靖が帰郷する折に滞在したという「白壁」という旅館に泊まってみた。古民家風の造りで、そのホームページでも述べているように和とモダンの織りなす、素敵な宿だった。

www.shirakabeso.jp

 

白壁の入口 白い暖簾が高級感を感じさせる。

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目次

場所

 

下の地図で示したように、本当に狩野川に沿うように建てられている。

宿の前の道はやや狭いが、車で入って来られる。そして、十分な駐車場スペースがある。

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道の両側に駐車場があり、白壁と書かれている。
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ここから湯道に繋がっているので、散策をするのにもとてもよかった。

 

ロビーや館内など

玄関を入ると広々とした土間があり、靴を脱いで上がる畳敷きのスペースがある。とても雰囲気がよかった。なにしろ、駐車場ではベトナム人のスタッフの方が待ってくれていて、荷物を持って中まで誘導してくれた。

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チェックインの際にはこのラウンジの椅子に腰かけて、ウェルカムドリンクの冷たいお茶をいただきながら、必要な手続きを行うことができた。とても快適だった。
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フロント前には広々としたラウンジがあり、中庭を眺めることができる。また、新聞も各紙置かれているので、それをゆっくり読むこともできる。人も少ないので、静かで居心地がよい。
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本館の部屋に行く途中には素敵な中庭にそった廊下があった。池には鯉が泳いでいる。

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この旅館はとても広く、廊下が迷路のようになっているので、館内を探検するのが楽しかった。
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実はチェックインする前に少し周囲を歩いていて、狩野川沿いにホテルの施設として、このような川を眺めることができるデッキテラスがあった。あいにく、この日はちょっと曇って、雨が降りそうだったが、晴れていればとても快適に過ごすことができそうだ。

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狩野川の流れを目の前に見ることができる。
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湯道は狩野川の渓谷に沿って歩くことができ、二つの出会い橋、女橋・男橋を渡ってぐるっと20分ほど歩いて回ってくることができる。

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橋の上から見た狩野川の景色だ。
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部屋の様子

 

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今回一人旅プランで予約したのだが、予約ページには8-10畳と書かれていた。しかし実際には10畳以上あろうかというとても広い部屋だった。そして、窓際にはイス・テーブルも置かれていて庭の景色を眺めることもできた。とても快適な部屋だった。広い部屋の真ん中にふとん一つが置かれているので、やや寂しい感じだったが。

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中庭を望むところにテーブルとイスが置かれている。
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部屋には鏡台も置かれていた。
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反対側にはテレビや座卓が寄せられていた。翌朝、蒲団が上げられた後は、この座卓が部屋の中央に置かれるようになった。ひじ掛けもあり、殿様のようだ。
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床の間には壺が置かれていた。

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下のタンスのようなレトロなものは実は冷蔵庫が隠されている。昔のホテルにあった、ジュースやビールが横に置かれて、抜き出すと料金が課金されるという古い冷蔵庫なのだが、いまは空の状態だ。レトロモダンな外観にカモフラージュされている。
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洗面所はシックで落ち着く空間だ。そして、これは大浴場にもあったのだが、ポーラのアロマエッセゴールドという、シャンプー・ボディーソープ・コンディショナーが置かれている。これがとても良い香りなのだ。


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部屋にはお風呂もあった。どうやらこれも温泉?のようだ。大浴場があるので入らなかったが。
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食事のようす

こちらは夕食。名物の山葵鍋、和牛石焼、季節の五点盛り、伊豆の魚盛合わせ、海鮮菊花合え、などが所せましと並ぶ。

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他のテーブルとはいい感じに目隠しがされているので、ひとりでも全く気にならない。

そして、ベトナムのスタッフがとても丁寧、一生懸命に料理の説明をしてくれるのに好感がもてた。
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新鮮な山葵をすって食べる。
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こちらは静岡豚の味噌漬けだ。柔らかくて美味しかった。というわけで、食べきれないくらいの量ですっかりお腹一杯になったのだった。
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翌朝の朝ごはんも以下のように絢爛豪華だった。
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温泉 巨石風呂・巨木風呂・大岩の湯

温泉はここの売り物だ。実はNHKブラタモリで2018年頃にこの温泉が放映されたらしい。見ておけばよかった。残念だ。

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これら3つの温泉については、時間帯により男女入換え制となっている。時間を間違えないようにしなければいけない。

まず、巨石風呂と巨木風呂だが、これらは屋根付きの露天風呂となっている。どちらも巨大なので、よこの階段を上って入るようになっている。巨石については見たところざっと5mx3mほどもあるような石をくり抜いて湯舟にしている。

巨木もどうような大きさで、こちらは大木を半分に切った丸太をくりぬいてある。

上から温泉がかけ流しとなっている。なんとも贅沢だ。

露天風呂なので、自然が感じられて気持ちが良い。洗い場の岩のところにはカエルがいた。なんとも自然あふれている。

 

その他 施設

本館の2階にはラウンジがあり、宿泊者はコーヒーやお茶、冷たい飲み物を飲んだり、そしてアイスキャンディーを食べることもできた。湯上りにくつろげる空間があるのが素晴らしい。

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そこにはこのような舞台まであった。
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また、写真撮影を忘れてしまったが、館内図にも書かれていないライブラリ―があるので、そこで井上靖の本を読んだり、ゆっくりと読書をすることもできた。ぜひ探してみてほしい。

 

ベトナム人スタッフのもてなし、対応が素晴らしい旅館だったので、超おすすめだ。

 

前回の記事はこちらから。

www.nobbyblog.com

 

ではまた。

井上靖のしろばんばの里 天城湯ヶ島温泉 その1.

少し前に井上靖の「しろばんば」を読み返したこともあり(その記事は下にリンク)、その小説の舞台となった湯ヶ島というところに興味を持った。温泉地であり、井上靖が幼少のころを過ごしたところであり、また川端康成伊豆の踊子の舞台でもある。そんな場所なので、聖地巡礼ではないが、温泉旅行を兼ねて行ってみることにしたのだ。

 

目次

場所

湯ヶ島伊豆半島の真ん中に位置している。私は車で行ったのだが、東名から伊豆縦貫道を通っていくと便利だ。電車で行く場合には、三島から修善寺まで伊豆箱根鉄道で行き、そこからバスで湯ヶ島へ向かうことができる。また、東京駅から踊り子号に乗って修善寺まで行くことができる。

 

天城越え」で有名な天城山の北麓に位置している。山間では、清冽な気候を利用して、山葵(ワサビ)の栽培が行われているらしい。 

 

小説「しろばんば」の舞台

湯ヶ島に到着すると宿に車を停めて、さっそく湯ヶ島の里を散策してみた。文学の郷として町おこしをしているようで、地図を見ると「しろばんば」で出てくるいろいろな場所に関する表示がいくつもあった。

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湯ヶ島小学校の正門のところには、洪作とおぬい婆さんの象があった。

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湯ヶ島小学校という記念碑がある。なお、ここは洪作が通っていた尋常小学校とは別の場所である。

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近くには小説では「上の家」として出てきた、井上靖の母親の実家がそのまま残っている。小説世界を思い起こさせるものだ。洪作はしょっちゅうここへ出入りしていたのだ。そして、洪作が淡い思いをもっていた「さき子」もここで暮らしていたのだなあ、と感慨深く思った。

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上の家についての説明書きだ。

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その近くにはきれいな花に立派なアゲハ蝶が寄ってきていた。

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近くには洪作とおぬい婆さんが暮らしていた土蔵の跡があったのだが、あまりに寂れてしまっていたので残念だった。写真を撮る気にならなかった。

 

近くには天城神社があった。ここは子どもたちが遊び場にしていた場所だ。また、さき子と中川基が腰かけて話をしていたところだ。

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ここには実にユニークな顔・形をした狛犬が飾られていた。天城山の方向を見ているそうで、1765年に奉納されたものというから250年前のものだ。
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そこから下田街道を横断して狩野川の渓谷へ降りていく湯道がある。

ここは西平の共同浴場へ洪作たちが降りて行った道だ。何とも感慨深い。

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ここを下って行くと今回宿泊した宿や、共同浴場に行くことができる。渓谷沿いの道だ。聞こえるのは川の音と鳥のさえずりだけだ。

よく見ると道に沢蟹が歩いていた。(ここには映ってないが)
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ちょうどヒガンバナ曼珠沙華)が湯道のわきに咲いていた。
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狩野川の流れだ。洪作にとってはこの川は他の川に劣らない立派な大河だった。
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しろばんばについての記事は以下からご覧ください。

www.nobbyblog.com

 

 

ではまた。

映画「グランツーリスモ」は面白かった。おすすめだ。

先日のテレビのバラエティで、今上映中の映画について紹介をするコーナーがあった。その中では、ポアロやパリの猫の話の他に、グランツーリスモを取り上げていたのだが、この「グランツーリスモ」が面白そうだと印象に残ったのだ。ゲームで有名な作品ではあるが、ゲームのキワモノなのかと思っていたら、どうも王道のスポーツ根性もの、というか、少年が成長していくサクセスストーリーなのだった。やたら熱い映画のようなのだ。SNSでの評判も非常に高いものだった。そこで封切すぐに見に行くことにした。

www.gt-movie.jp

 

ストーリーは実話に基づいているということだったが、私はその実話を全く知らなかったので、逆にそれが新鮮に感じられ、本当にそんなことがあったのかという驚きをもってみることができた。

 

日産とプレイステーションでは、ゲーム・グランツーリスモのトッププレイヤーに、本物のカーレーサーになるチャンスを与えるという、GTアカデミーというプログラムを設立したのだ。ゲームというバーチャルの世界のプレイヤーが時速350kmを超える本物のマシンのドライバーになれる、かもしれないという夢のようなプログラムなのだ。

 

これを可能にしたのが、ゲーム・グランツーリスモがレースのシミュレーターとして、非常に精密に出来ているということが背景にある。実際にこの映画のモデルとなった、ヤン・マーデンボローは、見ているコースの景色は全く同じで操縦する上での違和感はほとんどなかったと言う。驚くべきものだ。

 

これをベースに作られた映画は、とてもよく出来ていたと思う。スポコン物の王道を踏んでいるとはいえ、簡単に成功に結び付くわけではなく、その辺の描き方もうまい。

 

メガホンを取ったのは、ニール・ブロムカンプ。SF映画第9地区」という非常に成功を収めた映画は名前は聞いたことがあったが未見だ。実にクールな恰好の良い、モータースポーツの格好良さを見事に映し出している。特にメインイベントとして出てくるル・マン24時間耐久レースのオープニングシーンは実にカッコいい撮り方をしている。ぜひ見てほしい。

 

映画では日産が全面協力していることもあり、東京のシーンが何回か映しだされるのも、日本人としては楽しい。東京の夜を魅力あるものとして雰囲気良く撮っていると思う。

 

キャストも素晴らしく、誰もが実にうまいなあと思う。チーフエンジニアを演じる、デヴィッド・ハーバーや、プロデューサーのオーランド・ブルームはもちろん、主人公のヤンを演じたアーチー・マデクウィや、ヤンの父親を演じていた、ジャイモン・フンスーの演技は実に感動的だった。

 

そして、映画の中で流れる音楽がどれもクールでよかった。2時間を超える映画なのだが、体感としては1時間半くらいに感じるほど充実した映画だ。

 

ブラックサバスのパラノイドを聞きながらこのブログを書いている。

 

ではまた。

 

井上靖「しろばんば」を再読した。超おすすめ。自伝的小説の傑作だった。

小学校6年のときに初めて読んだ「しろばんば」を、何十年か振りにあらためて買って読んでみた。この小説は、本嫌いだった子供の私が初めて熱中して読んだ本だった。そのころNHKでは少年ドラマシリーズという子供向けのドラマが放映されていたのだが、その枠で「しろばんば」がドラマ化されていた。それを見て子供心に面白かったのだと思う。本屋に行き、文庫本になっていた「しろばんば」を買って読み始めたのだ。それまで全く本には興味を示さなかったが、なぜかこの本を読み始めると夢中となった。本は面白い、ということを教えてくれたのがこの本だった。

子供の時に読んだ内容についての記憶はほとんどないが、再読してあらためて面白かった。大正時代の子供のことなのに、それがまるで同時代を生きているかのように生き生きと表現されているのだ。今はもはやなくなってしまった馬車であったり、当時の習俗や遊びが語られている。それを私は知らないはずなのになにか、懐かしい郷愁をおぼえるのだ。素晴らしい本だと思った。

もし、井上靖の「しろばんば」を読まれたことがなければ、ぜひ一度読んでみてほしい。

 

 

伊豆湯ヶ島で過ごした子供時代が描かれる自伝的小説だ。舞台は大正時代というから、今から100年も前のことなのだが、主人公の洪作少年の目で、伊豆の田舎の風物や人々が実に生き生きと描かれている。子供視点なのであるが、洪作少年の感情の機微や揺れが、とても精緻に描かれていて、読んでいる者はその物語にどっぷりとはまってしまう。

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洪作少年は両親と離れ、血のつながりもない曽祖父の妾だったおぬい婆さんと離れの土蔵で暮らしている。おぬい婆さんが無償の愛を耕作につぎ込む姿、それを時にはいとわしく思う洪作との生活が描かれている。

 

やはり文章が上手いのだと思う。どうしたら、このように心の揺れや思いをこのように描けるのかと思ってしまう。例えば、両親が住む豊橋へ行った時、母や父に対して感じた印象、幼い妹小夜子とのやり取りが、自分のことのように手に取るように感じられるのだ。

 

若い叔母さき子に対する慕情や、転校してきたあき子に対する気持ちなど、何かせつなく心に触れるエピソードが淡々を書き連ねられている。今は昔のその時代や村の人々がが懐かしく思えてくるのだ。

 

ではまた。

夏の北八ヶ岳 雨池~麦草峠 そして、おすすめペンション

北八ヶ岳では、前回冬に泊まったときと同じ、ペンション山の朝という宿に宿泊した。ここは八ヶ岳ロープウェイから最も近いところにあるペンションで、アクセス良く、オーナーの方も親切、食事もとても美味しく、すっかり定宿になってしまった。

 

八ヶ岳ロープウェイ駅でバスを降りると、ロープウェイ山麓駅の建物があるが、その下をくぐる通路が一階にある。そこを抜けて行くと、ピラタス蓼科スキー場に出る。スキー場の施設に沿って、ゲレンデの左手に向かって歩いていく。夏場はテニスコートになっているところがあるので、そこの手前を降りていくと、近道でペンションに向かうことができる。

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こじんまりとしたお風呂があり、山の本がたくさん置いてあるラウンジがある。

食堂は部屋ごとに各テーブルが分かれているので、気兼ねなく過ごすことが出来る。

なんと言っても食事がおいしい。

 

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それにしても、標高1700mは涼しかった。ペンションには当然ながらエアコンはないが、涼しい風が入ってくるので快適だった。

夕方、ピラタス蓼科スキー場まで散歩をしたが、スキー場は誰もおらず、スノーモービルが何台も施設の片隅に寄せられていた。夏場、これだけ涼しい場所なのにちょっともったいない気がした。坪庭に上るだけでなく、この斜面を利用した例えば、ジップラインなどを作れば、それなりに観光客は来ないだろうか。ふと、そんなことを思った。

 

北八ヶ岳2日目は、ちょっと天気が下り坂ということで、午後からは雨の予報だった。なるべく早く降りてくるように、ふたたびロープウェイで坪庭まで上がって、そこから雨池の往復を考えた。

朝のロープウェイはまださほど混んでいなかった。なにしろ100人まで乗れるので余裕だった。八ヶ岳連峰を見渡すことができた。

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坪庭に上がると、今回は木道を通って雨池方面へ歩いて行った。こちらにはあまり人が歩いてこないようだ。しばらくはほぼフラットで快適な木道を歩いていく。鳥のさえずりだけが聞こえてくる。右手に縞枯山を見ることになる。冬場はあそこの斜面でスノーシューをしたのだ。

20分ほどで、縞枯山荘が見えてきた。なかなか素晴らしい景色だ。 

北八ヶ岳は山の間を結ぶなだらかなところが多いので歩きやすい。 f:id:Nobbyblog:20230905091904j:image

ここではお茶などをオーダーすることができたが、それは帰りにすることにした。

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縞枯山荘から先の木道だ。この辺りもとてもいい感じの道が続く。
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しかし、雨池峠の四つ辻を過ぎると、新道という道を降りて雨池に向かうことになった。その道が途中までは整備されていたものの、その先は突如としてかなり足場が悪くなり、急な下りだったり、けっこう大変だった。30分くらいかかっただろうか。やがて眼の下が明るくなり、林道へ達した。ここからは20分くらい歩くと、雨池へ左に折れる道に通じている。

下の写真が下ってきた新道だ。
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雨池は満々と水を貯めていて、なかなか景色が良いところだった。一羽の水鳥がのんびりと水面をかいていた。 冬場はこの上を歩くことができたのだ。
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さて、雨池まだ到達して、まだ10時くらいだった。天気はいまのところ太陽も出ていて大丈夫そうだった。いま来た道を戻るかどうするか友人と相談した。

ここから麦草峠まで3kmほど、約50分の道だという。そこからさらにぐるっと出遭いの辻や五辻を回ってロープウェイまで戻る、ということもできそうだった。

せっかく来たので腹をくくって、新しい道を進むことにした。それが吉と出るか凶となるか。

麦草峠までの道は、しばらくは林道を下って行くような感じだった。しかし、途中から右手に折れ、峠に至る登り道に入って行く。さほどの急な道ではなく、また途中木道も整備されていたりするので、そんなに大変ではない。それにしても誰にも出会わない。

このあたりから、だんだんと苔むした感じになってくる。

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深い森の中を歩くという感じになってきた。50分ほど歩き、もうすぐ麦草峠かと思われたところで、突然森の木々からざあざあという音が聞こえてきた。雨だった。さっきまでは晴れていたのに、やはり天気予報のとおり、天気は悪くなってきていた。

ちょうど、茶水の池まであと少しだった。傘をさして、そこの木道を抜けて行くと麦草峠の道路にでた。激しい雨だった。あわてて、麦草ヒュッテに駆け込んだ。
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雨宿りをさせてもらいながら、コーヒーと南瓜プリンを頼み、ついでに持ってきたおにぎりを食べさせてもらった。うっかり写真を撮り忘れたが、南瓜プリンはとっても美味しかった。ぜひ、これは食べてみてほしい。

雨宿りの人が、しだいに集まってきていた。
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もはや、雨はやむ気配がなかった。雷の音までしてきた。運よく、バス停がここ麦草ヒュッテのところにあったので時刻表を見ると、1時間後くらいに茅野駅行きバスが来る予定だった。

残念だがロープウェイ駅までもどるのは断念し、ここから下ることにした。むしろ、その方がロープウェイ駅まで行って下り、バスを待つよりは時間的に効率がよいこともわかった。結果的にはよかったのだ。

 

夏の北八ヶ岳はとても良いところだ。次回は麦草峠からの続きの道を辿ってみたい。

 

ではまた。

 

 

夏の北八ヶ岳 軽登山に北横岳はおすすめ。

このところ異常に暑いので、少しでも涼しいところを求めて北八ヶ岳まで行ってきた。

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この3月にスノーシューをするために行ってきたのだが、夏山はどうなっているか、そして北横岳に登りたいと思って行ってみた。

 

前回のスノーシューの記事はこちらからどうぞ。

www.nobbyblog.com

 

まずは茅野駅まで中央線、特急「あずさ」で向かった。夏のシーズンなので、冬と違ってバスの本数も増えていた。冬場は朝10:20発のバスが土日しかやっていなかったのだ。夏季シーズンなので今回は朝10:20分発のバスに乗り込むことができた。これで行くと11:19分に八ヶ岳ロープウェイの駅に到着する。昼から登山を始めることができるのでちょうど良い。

茅野駅は美濃戸口など八ヶ岳の各方面へのバスが出ている。夏場なので人もそれなりに多い。

 

ちょうど台風が行ったあとだったので、ちょっと雲が出ていたが、天気はまずまずだった。ロープウェイ山麓駅には、まるでスイスアルプスの山小屋のように花が植えられていてきれいだった。

ここは標高が1700mもあるので、下界とは違って気持ちが良い気候だ。なにしろ、もわっと暑くないので最高だ。

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ロープウェイ山麓駅にはレストランがあるので、まずはここで腹ごしらえだ。

カレーライス。

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そして、ロープウェイで山頂駅まで向かう。これは100人乗りの大型のロープウェイで、標高1,771mの山麓(さんろく)駅から標高2,237mの坪庭(つぼにわ)駅まで約7分間で繋いでいる。

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目の下にはピラタス蓼科スノーリゾートのコースが見える。ここはロープウェイで一気に上まで上がって下ってくるコースがあるのだ。

北八ヶ岳ロープウェイの山頂駅を出たところ。2200mくらいなので、涼しい。

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ここからは坪庭という、溶岩台地に広がる周遊コースがある。そこに長い年月をかけて植物が回復してきているのだ。なんとなく浅間山鬼押し出しを思い起こさせる。

1周30分~40分ほどの散策路内には、季節ごとに高山植物が咲いている。
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その坪庭を途中まで歩いていき、そこから北横岳の登山コースへ入る。

山頂駅から北横岳山頂(南峰)まで、1時間程度で登れるようなコースタイムだ。

坪庭から分かれて登山コースにはいる。目の前にあるのが北横岳だ。

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途中、北横岳ヒュッテがあったので、休憩をする。ここからは10分程度で山頂だ。

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山頂駅からは坪庭から分かれて結構な急登になり、足元には大きな石があるので、ゆっくり歩いて1時間半くらいかかった。
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あいにく、午後になってだいぶ雲が出てきてしまったので、下の方は良く見えなかった。時々雲が途切れると、白樺湖の方まで見ることができた。
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帰り道、山頂直下には七ツ池、という池があったので、立ち寄りしてみた。こんな上のところに池があるのだ。

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なかなか大きな池だった。
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再び坪庭に合流して帰路を帰ってくると、山頂駅の前にはキツツキのモニュメントがあることに気づいた。なかなかいい感じだ。
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夏の軽登山には手軽に登れる北横岳はおすすめだ。途中、足元が岩だらけだったりするので、しっかりした登山靴は必携だ。

 

ではまた。