5月下旬のある日、江戸東京たてもの園にぶらりと行ってみた。ここは、江戸時代から昭和中期までの、文化的な価値の高い歴史的な建物を移築し、復元・保存・展示している施設だ。場所は都立小金井公園内にある。江戸東京博物館の分館という位置づけもあるようだ。
広々とした敷地の中に建物が点在しているので、ゆったりと見ることができておすすめだ。
入口の建物も立派だった。ここは元々は、昭和15年に皇居前広場で行われた紀元2600年記念式典のために建設された式殿だということだ。それをいまはビジターセンターとして利用しているのだ。
園内は大きくセンターゾーン、東ゾーン、西ゾーンと分かれている。
センターゾーンには歴史を伝える建物が展示されている。
例えば、まず最初に目をひいたのが、高橋是清邸だった。明治後半に建てられたものだそうだ。港区赤坂にあった邸宅の一部を移動したものらしい。
中に入って見学をすることができる。
西川家別邸 北多摩屈指の製糸会社を設立した実業家の邸宅だそうだ。
東ゾーンには、庶民の生活を物語る、銭湯や商家、居酒屋などがあり、とても興味深かった。
こちらは化粧品屋だった。
向こうに見えるのは文具店と生花店、そして左にあるのがたべもの処の蔵だ。ここでは実際に食べることができる。
中でも面白かったのは銭湯だ。
かつて、昭和年代にはこのような銭湯に入っていた。この脱衣場のかごが懐かしい。あのころはこのかごに脱いだ服を入れて風呂敷などをかけていたのだ。
そして柱時計もあったなあ、と思い出す。
そして、料金表。これと同じようなものがあったことを思い出す。中人というのが懐かしい。
浴槽の向こうには富士山の絵がある。まさにあるべき銭湯の姿だった。
西ゾーンに行くと、今度は西洋建築など、多様な建築様式の建物があった。
大正時代に建てられた田園調布の家。
なかなか素敵な造りだ。
全室が洋間となっていた。
復元建造物「デ・ラランデ邸」では喫茶を楽しむことができた。
建築家前川國男の自邸だそうだ。
中の雰囲気がなかなか良かった。
また、西ゾーンには農家の建築もいろいろあった。
建物が好きであれば、江戸東京たてもの園はとてもおすすめだ。のんびりと各展示を楽しむことができるし、カフェや食べ物を食べる所もあるし。
ではまた。