天城湯ヶ島は温泉地としての歴史が古く、江戸時代には金が取れたということでにぎわったそうだ。そんな湯ヶ島には狩野川の渓谷沿いに何軒かの温泉旅館がある。その中でも、井上靖が帰郷する折に滞在したという「白壁」という旅館に泊まってみた。古民家風の造りで、そのホームページでも述べているように和とモダンの織りなす、素敵な宿だった。
白壁の入口 白い暖簾が高級感を感じさせる。
目次
場所
下の地図で示したように、本当に狩野川に沿うように建てられている。
宿の前の道はやや狭いが、車で入って来られる。そして、十分な駐車場スペースがある。
道の両側に駐車場があり、白壁と書かれている。
ここから湯道に繋がっているので、散策をするのにもとてもよかった。
ロビーや館内など
玄関を入ると広々とした土間があり、靴を脱いで上がる畳敷きのスペースがある。とても雰囲気がよかった。なにしろ、駐車場ではベトナム人のスタッフの方が待ってくれていて、荷物を持って中まで誘導してくれた。
チェックインの際にはこのラウンジの椅子に腰かけて、ウェルカムドリンクの冷たいお茶をいただきながら、必要な手続きを行うことができた。とても快適だった。
フロント前には広々としたラウンジがあり、中庭を眺めることができる。また、新聞も各紙置かれているので、それをゆっくり読むこともできる。人も少ないので、静かで居心地がよい。
本館の部屋に行く途中には素敵な中庭にそった廊下があった。池には鯉が泳いでいる。
この旅館はとても広く、廊下が迷路のようになっているので、館内を探検するのが楽しかった。
実はチェックインする前に少し周囲を歩いていて、狩野川沿いにホテルの施設として、このような川を眺めることができるデッキテラスがあった。あいにく、この日はちょっと曇って、雨が降りそうだったが、晴れていればとても快適に過ごすことができそうだ。
狩野川の流れを目の前に見ることができる。
湯道は狩野川の渓谷に沿って歩くことができ、二つの出会い橋、女橋・男橋を渡ってぐるっと20分ほど歩いて回ってくることができる。
橋の上から見た狩野川の景色だ。
部屋の様子
今回一人旅プランで予約したのだが、予約ページには8-10畳と書かれていた。しかし実際には10畳以上あろうかというとても広い部屋だった。そして、窓際にはイス・テーブルも置かれていて庭の景色を眺めることもできた。とても快適な部屋だった。広い部屋の真ん中にふとん一つが置かれているので、やや寂しい感じだったが。
中庭を望むところにテーブルとイスが置かれている。
部屋には鏡台も置かれていた。
反対側にはテレビや座卓が寄せられていた。翌朝、蒲団が上げられた後は、この座卓が部屋の中央に置かれるようになった。ひじ掛けもあり、殿様のようだ。
床の間には壺が置かれていた。
下のタンスのようなレトロなものは実は冷蔵庫が隠されている。昔のホテルにあった、ジュースやビールが横に置かれて、抜き出すと料金が課金されるという古い冷蔵庫なのだが、いまは空の状態だ。レトロモダンな外観にカモフラージュされている。
洗面所はシックで落ち着く空間だ。そして、これは大浴場にもあったのだが、ポーラのアロマエッセゴールドという、シャンプー・ボディーソープ・コンディショナーが置かれている。これがとても良い香りなのだ。
部屋にはお風呂もあった。どうやらこれも温泉?のようだ。大浴場があるので入らなかったが。
食事のようす
こちらは夕食。名物の山葵鍋、和牛石焼、季節の五点盛り、伊豆の魚盛合わせ、海鮮菊花合え、などが所せましと並ぶ。
他のテーブルとはいい感じに目隠しがされているので、ひとりでも全く気にならない。
そして、ベトナムのスタッフがとても丁寧、一生懸命に料理の説明をしてくれるのに好感がもてた。
新鮮な山葵をすって食べる。
こちらは静岡豚の味噌漬けだ。柔らかくて美味しかった。というわけで、食べきれないくらいの量ですっかりお腹一杯になったのだった。
翌朝の朝ごはんも以下のように絢爛豪華だった。
温泉 巨石風呂・巨木風呂・大岩の湯
温泉はここの売り物だ。実はNHKのブラタモリで2018年頃にこの温泉が放映されたらしい。見ておけばよかった。残念だ。
これら3つの温泉については、時間帯により男女入換え制となっている。時間を間違えないようにしなければいけない。
まず、巨石風呂と巨木風呂だが、これらは屋根付きの露天風呂となっている。どちらも巨大なので、よこの階段を上って入るようになっている。巨石については見たところざっと5mx3mほどもあるような石をくり抜いて湯舟にしている。
巨木もどうような大きさで、こちらは大木を半分に切った丸太をくりぬいてある。
上から温泉がかけ流しとなっている。なんとも贅沢だ。
露天風呂なので、自然が感じられて気持ちが良い。洗い場の岩のところにはカエルがいた。なんとも自然あふれている。
その他 施設
本館の2階にはラウンジがあり、宿泊者はコーヒーやお茶、冷たい飲み物を飲んだり、そしてアイスキャンディーを食べることもできた。湯上りにくつろげる空間があるのが素晴らしい。
そこにはこのような舞台まであった。
また、写真撮影を忘れてしまったが、館内図にも書かれていないライブラリ―があるので、そこで井上靖の本を読んだり、ゆっくりと読書をすることもできた。ぜひ探してみてほしい。
ベトナム人スタッフのもてなし、対応が素晴らしい旅館だったので、超おすすめだ。
前回の記事はこちらから。
ではまた。