たまたまミニシアター系の映画で面白いものがないか、をネットで検索していたところ、新宿武蔵野館で上映中の韓国映画「梟-フクロウ」という作品が目に止まった。
韓国で以下のような記録を樹立しているらしいこと、そしてサスペンスものらしい、ということがわかって、SNS上のコメントも好評だったのだ。では、ちょっと行ってみるかということで、新宿の武蔵野館まで行ったのだった。
久々の武蔵野館であった。ロビーのラウンジはノマドワーカーが使えるようなテーブルやソファ、椅子があり、くつろげるようになっていた。売っているドリンクやスナックも、いわゆるシアターコンプレックスよりもバラエティーがあり、また安いものも売っているのでありがたい。
土曜日のその日はほぼ満席であった。口コミによって話題になっていたのだろうか。
さて、映画は以下の朝鮮王朝実録をもとにして、想像を膨らませた物語だそうだ。
朝鮮に戻った王の子は、ほどなくして病にかかり、命を落とした。
彼の全身は黒く変色し、目や耳、鼻や口など七つの穴から鮮血を流し、さながら薬物中毒死のようであった。
ー朝鮮王朝実録ー
主人公は盲目の鍼師である。その彼と同じような視線でこの事件を目撃していくのだが、特に中盤からは片時も目を離すことができなくなった。
役者の演技が大変すばらしい。韓国映画はそれほど沢山みているわけではないが、役者の演技レベルが大変高いのではないか、と感心する。
エンターテインメントとして、とても面白いが、単にそれだけに終わらず、最後の方では映画的なカタルシスを感じさせる展開があり、心を揺さぶられたのだった。
現実世界ではなかなか声を上げることができないが、映画の中でそれを代弁してみせているのだ。おすすめである。
ではまた。