友達が観てきて、この映画はとても良かったと大絶賛をしていたのと、テーマがフランスの移民問題と食を取り上げていることに興味を持って、果たしてどんな映画なのか全く事前知識なしに観に行ってきた。結果、とっても良かった。
公式ホームページはこちらから。
「ウィ、シェフ」という題名からしてフランス映画だ。舞台はフランスの超有名なレストランから始まる。主人公のカティ・マリーはそこで働くシェフだった。彼女の得意料理、ビーツのパイプオルガンという前菜を作っていたところ、その店のオーナーが勝手に盛り付けを変えてしまう。そのことに怒って、けんかしてその店を辞めてしまうところから話は始まる。
まず、話の展開が実に見事で、無駄がなく、とてもよくできたシナリオである。そして、役者が全て素晴らしい。
カティ・マリー役、オドレイ・ラミー、の大きな瞳が実に雄弁に物語る。移民施設長のロレンゾ役のフランソワ・クリュゼが素晴らしい。施設の職員であるサビーヌは包容力のある存在だ。そして、何よりオーディションで選ばれた、実際の移民の少年たちが素晴らしい。
フランスは移民大国だ。パンフレットによれば、700万人、人口の10人に一人は移民だというのだ。その移民社会を背景として、未成年の移民のための支援制度がどうなっているのか、を横軸に描いている。
縦軸となるのは、主人公カティ・マリーが料理人として放り込まれた、この移民支援施設での奮闘ぶりだ。
あまり宣伝されていないが、本当に多くの人に観てほしい。
ではまた。