北八ヶ岳では、前回冬に泊まったときと同じ、ペンション山の朝という宿に宿泊した。ここは八ヶ岳ロープウェイから最も近いところにあるペンションで、アクセス良く、オーナーの方も親切、食事もとても美味しく、すっかり定宿になってしまった。
八ヶ岳ロープウェイ駅でバスを降りると、ロープウェイ山麓駅の建物があるが、その下をくぐる通路が一階にある。そこを抜けて行くと、ピラタス蓼科スキー場に出る。スキー場の施設に沿って、ゲレンデの左手に向かって歩いていく。夏場はテニスコートになっているところがあるので、そこの手前を降りていくと、近道でペンションに向かうことができる。
こじんまりとしたお風呂があり、山の本がたくさん置いてあるラウンジがある。
食堂は部屋ごとに各テーブルが分かれているので、気兼ねなく過ごすことが出来る。
なんと言っても食事がおいしい。
それにしても、標高1700mは涼しかった。ペンションには当然ながらエアコンはないが、涼しい風が入ってくるので快適だった。
夕方、ピラタス蓼科スキー場まで散歩をしたが、スキー場は誰もおらず、スノーモービルが何台も施設の片隅に寄せられていた。夏場、これだけ涼しい場所なのにちょっともったいない気がした。坪庭に上るだけでなく、この斜面を利用した例えば、ジップラインなどを作れば、それなりに観光客は来ないだろうか。ふと、そんなことを思った。
北八ヶ岳2日目は、ちょっと天気が下り坂ということで、午後からは雨の予報だった。なるべく早く降りてくるように、ふたたびロープウェイで坪庭まで上がって、そこから雨池の往復を考えた。
朝のロープウェイはまださほど混んでいなかった。なにしろ100人まで乗れるので余裕だった。八ヶ岳連峰を見渡すことができた。
坪庭に上がると、今回は木道を通って雨池方面へ歩いて行った。こちらにはあまり人が歩いてこないようだ。しばらくはほぼフラットで快適な木道を歩いていく。鳥のさえずりだけが聞こえてくる。右手に縞枯山を見ることになる。冬場はあそこの斜面でスノーシューをしたのだ。
20分ほどで、縞枯山荘が見えてきた。なかなか素晴らしい景色だ。
北八ヶ岳は山の間を結ぶなだらかなところが多いので歩きやすい。
ここではお茶などをオーダーすることができたが、それは帰りにすることにした。
縞枯山荘から先の木道だ。この辺りもとてもいい感じの道が続く。
しかし、雨池峠の四つ辻を過ぎると、新道という道を降りて雨池に向かうことになった。その道が途中までは整備されていたものの、その先は突如としてかなり足場が悪くなり、急な下りだったり、けっこう大変だった。30分くらいかかっただろうか。やがて眼の下が明るくなり、林道へ達した。ここからは20分くらい歩くと、雨池へ左に折れる道に通じている。
下の写真が下ってきた新道だ。
雨池は満々と水を貯めていて、なかなか景色が良いところだった。一羽の水鳥がのんびりと水面をかいていた。 冬場はこの上を歩くことができたのだ。
さて、雨池まだ到達して、まだ10時くらいだった。天気はいまのところ太陽も出ていて大丈夫そうだった。いま来た道を戻るかどうするか友人と相談した。
ここから麦草峠まで3kmほど、約50分の道だという。そこからさらにぐるっと出遭いの辻や五辻を回ってロープウェイまで戻る、ということもできそうだった。
せっかく来たので腹をくくって、新しい道を進むことにした。それが吉と出るか凶となるか。
麦草峠までの道は、しばらくは林道を下って行くような感じだった。しかし、途中から右手に折れ、峠に至る登り道に入って行く。さほどの急な道ではなく、また途中木道も整備されていたりするので、そんなに大変ではない。それにしても誰にも出会わない。
このあたりから、だんだんと苔むした感じになってくる。
深い森の中を歩くという感じになってきた。50分ほど歩き、もうすぐ麦草峠かと思われたところで、突然森の木々からざあざあという音が聞こえてきた。雨だった。さっきまでは晴れていたのに、やはり天気予報のとおり、天気は悪くなってきていた。
ちょうど、茶水の池まであと少しだった。傘をさして、そこの木道を抜けて行くと麦草峠の道路にでた。激しい雨だった。あわてて、麦草ヒュッテに駆け込んだ。
雨宿りをさせてもらいながら、コーヒーと南瓜プリンを頼み、ついでに持ってきたおにぎりを食べさせてもらった。うっかり写真を撮り忘れたが、南瓜プリンはとっても美味しかった。ぜひ、これは食べてみてほしい。
雨宿りの人が、しだいに集まってきていた。
もはや、雨はやむ気配がなかった。雷の音までしてきた。運よく、バス停がここ麦草ヒュッテのところにあったので時刻表を見ると、1時間後くらいに茅野駅行きバスが来る予定だった。
残念だがロープウェイ駅までもどるのは断念し、ここから下ることにした。むしろ、その方がロープウェイ駅まで行って下り、バスを待つよりは時間的に効率がよいこともわかった。結果的にはよかったのだ。
夏の北八ヶ岳はとても良いところだ。次回は麦草峠からの続きの道を辿ってみたい。
ではまた。