12月の快晴のもと、奈良の法隆寺を見学してきた。その日は、奈良マラソンの前日ということで観光する時間があったのだ。奈良は中学の修学旅行で来ていたが、その時は薬師寺などは見たものの、法隆寺には行かなかったはず。奈良はその後、東大寺などには行ったものの、法隆寺には行ったことがなかったのだ。
そこで、せっかくなので世界遺産の法隆寺を見学してみることにした。
JR奈良駅からは、大和路線の大和路快速に乗り、わずか11分ほどで法隆寺駅に到着した。近い。そして、そこからであるが、歩くと1.6kmほどあり(徒歩約25分)、一方で駅からはバスも出ていた。バス停に行くと、10分程度待てばバスが来るような時刻表だった。法隆寺の中は広大で結構歩く、とネット情報を得ていたので、疲れすぎないようにバスに乗ることにした。
これが正解で、少し待つとバスがやって来たが、始発なので乗って座って待っていることができたのだ。朝9時台という早い時間だったので、まだ人は多くなく余裕で座れた。バスは出発すると、せいぜい5分程度で法隆寺参道に到着した。ここで下車だ。
バスはいったん南大門に近づきながらぐるっと回って戻って行くので、降りるのはちょっと離れた場所だ。そこから歩いて南大門へ向かう。
参道にはお土産物屋などがあるがまだ早くてやってはいないようだった。南大門の威容が大きくなってきた。
南大門。これは1438年(室町時代)に再建されたものだそうだ。それでも優に500年以上も前のものだ。屋根を見るとわかるが、反り返っていて下側が少し見えるようになっている。これは中国から伝わった建築方法だそうだ。そして、非常に軒が深い。
見上げると屋根の裏側の構造が良く見えた。とても軒が深いのだ。
ここを覗くと、既にはるか向こうに五重塔と中門が見えた。
南大門をくぐると広大な道が西院伽藍へ伸びていた。この中門、五重塔、金堂、大講堂などからなる場所が西院伽藍と呼ばれているそうだ。
五重塔と中門が素晴らしい景色を見せていた。
この中門は奈良時代の創建ということで、非常に古いものだ。2層目のところに卍崩しと呼ばれる形の意匠が施されている。
金剛力士像が2体あった。これらは711年に作られたものだそうだ。1300年も前のものなのだ。東大寺の金剛力士像が有名だが、こちらも迫力があった。
日本最古の五重塔である。約1400年前に建てられたものが残っているというから凄い歴史を感じる。一階の内部を覗くと、そこには洞窟やそれを取り巻く人々の塑像があった。釈迦に関する物語が描かれているらしい。
こちらが金堂だ。中には釈迦三尊像や薬師如来像が収められている。壁にはその時代の人々の壁画が描かれていた。色がだいぶ落ちていたが、その当時をしのばせるものだ。
これが卍崩しと言われる意匠だ。
回廊部の柱は、パルテノン神殿にも見られるようなエンタシス、という形が取られているそうだ。よく見ると上に向かうにつれて少し細くなっている。
これは大講堂だ。中には堂々した薬師三尊像が置かれてあった。
ここでは売店?で、沈香と伽羅のお香を売っていたが、サンプルの匂いを嗅がせてもらった。なんともいい香りだ。買って来ればよかった。ぜひ、立ち寄りの際にはこの香りを嗅いでみてほしい。先日のNHK番組、歴史探偵で「天下の名香 蘭奢待」というのを取り上げていたので、ちょっと興味があったのだ。
これは聖霊院。鎌倉時代に建てられたものだそうだ。西院伽藍を出たすぐのところにある。聖徳太子の尊像を安置するために作られたものだそうだ。
紅葉とともに金堂を撮ってみた。
これは高床式の蔵だ。
大宝蔵院だ。平成10年に落成したものだ。ここには様々な宝物が展示されていた。
その中でも有名なのが玉虫厨子だ。他にも多数の宝物が展示されているので、じっくり見ると時間を要する。
そこを見終えて、東に300mほど歩いていくと、東院伽藍があり、ここに夢殿があった。
夢殿は八角形の建築が特徴的だ。
再び、東大門へ向けて戻る。
法隆寺は広々としていて、そこに古い建物が点在している。余裕をもって回るのが良いと思った。また、朝だったので比較的空いていてゆっくりとみることができた。
帰りも参道からバスで法隆寺駅へ向かい、電車で帰ることが出来る。
ではまた。