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2023年全日本フィギュアスケート 長野ビッグハットに行ってみた。

千葉百音選手の過去映像の演技が素晴らしく、すっかり魅了されてしまったので、つい全日本フィギュアのチケットを購入して、長野まで行ってしまった。

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座席や気温について

観に行ったのは12月24日(日)のアイスダンス、女子フリーである。チケットはA席なので、3階スタンド席だった。それも、ちょうどショートとロングの間の斜めの席だった。果たして眺めはどうかと思っていた。しかし、ビッグハットは器がそれほど大きくないので、むしろ良く見える席だった。斜めから見た場合、まずリンク全体が見渡せ、そしてジャンプはたいていショートサイドに来て飛ぶことが多いので、ジャンプも良く見ることができるのである。

 

以前に浅田真央のBeyondで一度このリンクには来ていたが、その時には2階のロングサイドで観ていた。そのときもとてもよく見ることができたので、このリンクであれば、おそらくどこに座っても良く見えるのではないか、と思った。

 

さて、場内の気温についてである。真冬の大会ということで結構な厚着をして行ったのだが、3階席ではダウンなど無用なほど暖かかった。前回2階席で見たときもそれほど寒くなかったので、恐らく冬であってもそれほどの厚着は必要ないのではないか、と思った。

 

現地観戦の印象

さて、会場に入って感じたのは、その雰囲気である。真っ白なリンクを照明がまばゆいばかりに煌々と照らし出している。ブルーのカーテンで彩られた会場の観客席がそれを見下ろすように取り囲んでいる。今から、この氷の舞台で演技が繰り広げられる、という緊張感と高揚感に溢れていた。これは実際に足を運ばなければ感じられないものだった。アイスショーとは違って、競技会ということでの張りつめた緊張感が伝わってきた。

 

6分間練習に入る選手達それぞれにかかる歓声や応援の声、練習でのジャンプ成功に対する拍手、どよめき。この臨場感は現地で生で観なければわからないものだった。

 

そして、選手の名前が読み上げられリンクに立つ選手。その演技前の一瞬、場内が完全な静寂に包まれるその瞬間、期待と緊張とに包まれていて、感情を揺さぶられるものだった。

 

音楽が始まる。会場での音響はテレビで観戦するのとは全く違い、体全体に響き渡り、壮大な音楽であれば体を揺らす重低音が響き、ピアノやバイオリンの曲であれば、その高音の弱音の繊細な音が耳に刺さる。その音楽を全身で表現し、選手たちは滑って行く。この会場での音響が本当に素晴らしかった。

テレビでは音量も抑えられ、どうしてもその限られた視角の中でのジャンプなどにフォーカスされるが、生で見ていると、その音響・音楽をプログラムがどのように表現していくのか、選手がどのようにストーリーを紡ぐのかという、全体像に印象が行くような気がした。

 

千葉選手

どの選手も素晴らしい演技をしていた。やがて、千葉百音選手の出番がやってきた。6分間練習では緊張しているのが見て取れた。最初のポーズを取り、場内がしんとなる。そして、海の上のピアニストの音楽が静かに始まり滑り始めた。そのとたん、彼女の滑り、演技は生き生きとした大きなものに変わった。落ち着いて滑って行き、確実にジャンプを決めていく。伸びのあるスケーティングで、無駄足を使わずにステップで繋いでいく。サルコウを決めると大きな拍手が上がった。ノーミスの演技が続き、会場が息をつめて見つめる。曲の盛り上がりの一音に最後にルッツがピタッと合った。怒涛のステップシークエンスからそのままスピンへ入る。会場は称賛の拍手の渦に包まれていた。場内は総立ちであった。

クリスマスイブに素晴らしい感動の演技であった。

 

千葉選手があとでインタビューで語っていたが、まさにフィギュアスケートは美しくそして、ダイナミックなスポーツであったのだ。

 

ではまた。