昨年10月のグランプリシリーズ・アメリカ大会で千葉百音選手の滑り・演技に魅了されて以来、注目してきたので、今回の四大陸選手権優勝は嬉しくて仕方がない。
大きくおめでとうと言いたい。ただ、まだこれはスタートに過ぎないのだ。遂に世に知られる存在となり、世界選手権、その先と活躍していくことだろう。
それにしても、今回のSP開始前の顔つきは目が白黒して、ものすごい緊張しているのが伝わってきた。果たして大丈夫なのかと思ったが、滑り出すとそれが杞憂であったことがわかる。不安と自信のはざまに揺れ動く心境だったというが、きっちりとジャンプを決めて滑り切るメンタルに感嘆した。しかし、表情は最後まで強張ったままだったのが残念だが、自分でもよく認識をしていたのだとインタビュー記事で知った。
そして、FPだが最終滑走に決まったということで、トップで来て最後に滑るというのは非常なプレッシャーがかかると思う。スタート前はやはり同じようにとても緊張しているのが見て取れた。しかし、不思議と滑り始めれば落ち着いて、全日本の時よりも伸び伸びと大きく滑っているように思われた。スケートが良く滑っており、ターンの弧も大きく、ステップの伸びが素晴らしかった。自分らしく滑ったのだなと思った。
実に見事な演技だった。どこを切り取っても絵になる美しいプログラムだ。見ていてあっという間に終わってしまうのはなぜだろうか。
特に最後の音楽のホルンでの盛り上がりのあとにルッツが重なる構成は感動もので、その後の流れるようなステップからのスピンへの展開を見ていると不思議と涙が出てくる。
インターハイの時に解説の方がいみじくも、フィギュアスケートの真髄を見せてくれる、と語っていたが、全くその通りだと思う。
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ではまた。